活動紹介
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ポストコロナではPython公開講座もフルオンライン形式で
コロナ禍に先駆けて2年前からオンラインによる授業の提供を重視している enPiT-everi ですが、今夏は公開講座もフルオンラインにチャレンジしました。
オンラインによる演習授業を実現するには、ちょっと面倒な準備が必要なので、今回は少しその裏側のお話をしてみます。
■ オンライン接続について
オンライン接続の手段には、コロナ禍でもっともメジャーなオンライン会議サービスとなったZoomを使用しました。
もちろん回線とデバイスは各自で用意していただきました。
単に一方的な講義を行うだけなら、繋がりさえすれば良いので、それほど難しいことではありません。
ところが、プログラミング演習となると、双方向でやり取りできなければなりませんので、双方の音声・映像が疎通していることが大前提となります。
さらに、演習中にZoom操作でまごついてしまって、本来の演習に集中できない状態も好ましくありません。
例えば、演習中に分からないことがあれば、受講者側に画面を共有してもらって問題を解決するケースもありますので、そのときにZoomの操作ができなければ問題を解決することができません。
そういったリスクを低減するために、受講者向けに事前のテスト接続の機会を設け、特にオンラインに不慣れな方には接続テストへの参加を促しました。
接続テストの期間は、丸1日を2日間といった具合で、受講者の都合はさまざまなのでどんな方でもどこかで時間がつくれるだろうと思われる時間設定をし、会議室を開けっ放しにして待ち受ける形です。
実際、接続テストには約半分ぐらいの方が参加をされました。
残り半分ぐらいの方は、すでにオンライン慣れされているということなので、(さすがコロナ禍!)意外と大丈夫な方が多かった印象です。笑
接続テストの所要時間は、短い方で1分程度、長い方はリトライも含めて延べ1時間ぐらい掛かるケースもありました。
これを行った成果もあったと思います。
オンラインが原因で当日に脱落される方はいらっしゃいませんでした。
■ プログラミング演習環境
プログラミングの演習なので、当たり前ですが演習環境が必要です。
従来のプログラミング演習では、主催する側がパソコンも含めて演習環境を用意するのですが、オンラインの場合は各自で用意してもらう必要があります。
しかし、あまり難しい環境条件では受講できる方がかなり限定されてしまいますので、誰でも簡単にで準備できるよう、環境ファイルを配布し、所定のクラウドサービス上にそれを配置してもらう形式を採りました。
この方式で実際にあったトラブルは、一部の方で、そのクラウドサービスの取り扱いで少々行き違いがあったこと(これは軽微なものでした)や、配布した環境ファイル(ZIP形式)が解凍できない、というケースが発生したことです。
この問題解決のために、講義の時間をやや圧迫してしまったことは反省点でした。
事前に受講者にどこまで準備を進めてもらうかは、なかなか難しい議論です。
多くを求めすぎると、準備できた方とできなかった方とでスタート時点が大きく違ってしまいますので、そういう状況は避けなければなりません。
なので、受講者側でやってもらう事前準備は、なるべく単純なレベルで済ませる必要があります。
レベルの高い方だけを対象にすれば主催する側は楽ですが、この enPiT-everi の公開講座は、なるべくならパソコンさえ使えれば初心者でもPythonの体験ができる、という講座でありたいのです。
■ 受講者のフォローアップ
プログラミングなどの演習授業では、通常のオンサイトの授業でも受講者5〜10名ぐらいに対して1名のTA(講師アシスタント)をつけてフォローアップを行います。
受講者が引っかかるところとして、講義の内容が分からなかったり、演習をやってみたけど思い通りに動かなかったり、演習環境が変になってしまったり、と様々なものが同時多発しますので、講師1名では対応できないのです。
なのでこれをオンライン上で実現するために、少人数に小分けした部屋(ブレイクアウトルーム)で演習に取り組んでいただく、という方法を取りました。
各ブレイクアウトルームは5名ずつぐらいとし、そこにTAが1名ずつ張り付き、受講者をフォローアップします。
TAの方々とは事前にブレイクアウトルームのリハーサルを行っておくことで、演習のフォローアップに集中できるようオンライントレーニング(というと大層ですが)を実施しておきました。
各ブレイクアウトルームでは、粛々と演習を進める部屋もあれば、なかなか思うように進まない特定の受講者にフォローが集中した部屋もあり、わりと思った通りに機能したように思います。
■ フルオンライン講座を終えて
というように、事前の準備をかなり入念に行ったのですが、実際の授業の進行は予定していた内容の2/3程度に留まってしまいました。
ついていける方には少々物足りない内容になったのではないかと思いますし、その一方でどうにか半分ぐらいはできたかな、という受講者もいらっしゃいました。
もちろん、もともと個人が持つ知識・スキルによるものが大きいことではありますが、主催する側としては敷居を上げる方が簡単であり、敷居を下げることの方が難しいのです。
Pythonはどんな方でもプログラミングの入り口にしやすい優れたプログラミング言語です。
より多くの方が触れる機会を得られるよう、今後も敷居の低いPythonプログラミング講座を提供していきたい enPiT-everi でした。
動画はフルオンラインでの授業・演習の様子を編集したものです。
演習をサポートしてくれたTAさんたちのコメントも手厳しかったり呑気だったり、それぞれの感想を語ってくだっています。
記 芝川(enPiT-everi事業推進室)
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